銀盤少年
俺と優希が付き合ってるとか、そんなの天地が引っ繰り返ったってありえない。絶対にだ!
一体こいつは俺と優希のどこを見て盛大な勘違いをしたんだ?
外人さんの思考回路は全く持って理解不能だ。恐ロシア。なんつって。
つまんないダジャレを心の中で呟くと、ケータイがブルブルと震え出す。
メールの受信を知らせるそれは、ディスプレイに珍しい人の名前を映していた。
ん、朝飛から?
ツイッターとか色々やってるけど、メールはあんまりしないんだよな。
なんとなく嫌な予感がするが、無視するわけにもいかないのでメールを開く。
どうか普通の内容であってくれ……!
『タク兄に頼んで編集済みの音源をパソコンに送っておいたよ!』
あははっこいつぅ、余計なことをしおってからに。
日本のエースがわざわざ俺のために編曲してくれたんだから、例の曲を使うしかないじゃないか。