三日月の僕ら
そう言うと、歩果は立ち上がった。
そんな歩果の腕を、遼が掴んだ。
「やめとけって」
遼は歩果に向かって言った。
「なんで?
あたし蓮と話さないと納得いかない!!」
「やめとけ!! 危ねぇから!!
朱音の姿見たら分かるだろ!?」
遼の言葉を聞いた歩果は、つらそうに下を向いた。
「男の俺がいても守ってやれなかった。
それに、半端ねぇ数の男がいる。
そんな中、佐野1人で行っても無理だって」
歩果はつらそうに遼を見つめたあと、
椅子に座り直した。
「俺が蓮のこと説得しに行くから。お前らは何もすんな」
「でもっ……」
口を開こうとしたあたしの手を、遼は強く握りしめた。