三日月の僕ら
あたしは恐る恐る男たちを見た。
つらそうな顔で下を向く男たち。
リーダー格の男が口を開いた。
「…悪かった。蓮を、解放するよ」
悔やんだ顔の男。
本当に反省してるようだった。
「俺らさ、蓮がうらやましかったんだ。
大切な人がいてさ、守るものもあって。
ずっと蓮みたいになりたかった」
不良だってヤンキーだって、心から悪い人なんていないんだ。
みんな心に闇があって、その闇の取り除き方が分かんなくなっただけ。
ちょっと心に投げかければ、みんな分かってくれるんだ。
「蓮と仲良くするななんて言わないから。
友達としてつきあってあげて?
みんないい人だもん。
蓮とも普通に仲良くなれるよ」
あたしは男たちに向かって微笑みかけた。