三日月の僕ら
あたしは遼の腕にしがみついていた。
遼がインターホンを押す。
中から出てきたのは、柄の悪そうな男。
「蓮、いるだろ?」
遼がなるべく強めのトーンで言う。
「お前、蓮の兄貴だろ?」
男が嫌な笑いを浮かべながら言う。
「だったらなんなんだよ。蓮出せよ」
遼も引かずに男を睨みつける。
「蓮はお前に会いたくないってさ」
男がそう言うと、遼は無理やり中へと入った。
あたしも遼についていく。
「蓮! いるんだろ!?
出てこいよ!!」
あたしたちの視線の先には、
大勢の男の中にいる蓮の姿。
まわりの男は、いわゆる不良やヤンキーといった連中。
しかもたちの悪い。
「蓮……」
あたしは蓮の姿を見ると名前を呼んだ。