三日月の僕ら
「遼、朱音。
お前らさっさと帰れ。
俺はもう帰るつもりねーし、来ても無駄だから」
冷たく言い放つ蓮。
その目からは、悲しみが見えた気がした。
蓮は何か苦しんでるの?
「歩果は……?」
あたしは恐る恐る蓮に問いかけた。
「…もう関係ねーから。
俺のことは忘れろって言っとけ」
蓮がそう言ったあと、あたしたちは部屋を出た。
涙が溢れて止まらなかった。
蓮はどうしちゃったの?
何があったの?
つらそうな蓮が、頭から離れない。
あんなの、蓮じゃない。
泣きじゃくるあたしを、遼は優しく抱きしめた。
遼だってつらいはずなのに。