FLOWER
『手術中』の明かりが

ついて間もない頃だった。



既に俺以外の

警察署に居たメンバーは

揃っている。

悠真さんは

救急車に同乗したからな。




「…事情は説明したわ。

 だから、あなたも

 座ってなさい。」




立っていた悠真さんが

走ってきた俺を見て、

そう言った。



自分でもびっくりするくらい、

俺が酷い顔だったからだ。

俺についていた返り血は

全て拭き取られ

服も着替えさせられたが、

その間もずっと

泣き続けてたもんだから、

目がもう

枯れている。

そのくせどこから

絞り出しているのか、

涙はまだ

止まる様子を見せない。













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