FLOWER
「痛っ…。」




誰かが肩にぶつかって、

俺は少し、よろめいた。




「…ぁ…スイマセン…。」




ぶつかったそいつは

こっちに頭なんか下げず、

顔さえ向けず、

それだけ言って

人混みの中にあっという間に消えた。




「だ、大丈夫かい?」



「…あ、はい…。

 全然大丈夫です。

 ちょっとぶつかっただけなんで…。」







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