ユウコさん(仮)の彼氏
「てんちょー。」



「………」



「はぅぅぅー…カッコ、イイ…。」



「てーんちょー。そんなにソコ汚れてんすかー?」



「………」



「はぅぅぅぅ…ステキ。」



「ねぇ、てんちょー。俺、発注終わったし、掃除変わりますよー。」



「はい。もう、どーんと来ちゃってくだ…」



「来るな。」



「は?」



「お前はレジ前から動くんじゃねぇええー!!」



「へ?…あっ、ハイ。」



「チッ。」



「フン!」



でもバイトに勤しむ先輩を、見つめ癒やされトキメキながら、虎視眈々とラブチャンスを狙うあたしには敵がいっぱいで。



「お客様ー。ソコ、邪魔なんですけどー。失礼しまーす。」



「あーら、すいません。」



「「チッ!」」



とりあえず適当なページを捲ったまま一向に先に進まない雑誌をカモフラージュに、小一時間ほど先輩を盗み見してるあたしのすぐ横には、「帰れ。」と言わんばかりに毛バタキをパタパタさせる店長さん。



先輩のバイト先で一番の強敵は、ちょっぴり強面のこの人、だ。

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