ユウコさん(仮)の彼氏
どこが好きって…。



とりあえず上から下まで何度か往復しながら先輩を見たあたしは、口元に人差し指を当てながらポツリと小さく呟いた。



「顔…かなぁ?」



「顔?」



「うん。顔だ!あたし、先輩の顔が好き!」



「………ぶっ!!」



「お前、最低な奴だな。」



するとお腹を抱えながらゲラゲラ笑う先輩の隣では、口元をヒクつかせる店長さんがいて。



「だって!あたし、先輩と話したの今日が初めてなんだもん!」



「だからって“顔”はナイだろ。お世辞でも“性格”って言っとけ。」



「だって一目惚れだったんだもん!顔以外の良いとこなんて、あたし知らないし!」



「うわっ!言いやがった!」



「だって本当のことだもん!」



ぷぅっと頬を膨らませたあたしは、ドン引きする店長さんをキッと睨みつけた。

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