ユウコさん(仮)の彼氏
「だから顔以外の好きなとこなんて…」



「じゃあさ、今から知っていけばいいよ。俺のこと。」



「へ?」



「恋は一瞬で出来るけど、そこで芽生えた気持ちを“憧れ”として育てていくか、“愛”として育てていくかはきっと自分次第。ね?」



シュンとするあたしのすぐ目の前にはニッコリと満面の笑みを浮かべる先輩。



「あっ…」



「ん?」



瞬間、ドキンと心臓が高鳴ったのは、“顔が近かったから”なんてつまんない理由なんかじゃなく、愛が育った瞬間だと思いたい。



「はい!」



ニッコリと満面の笑みを浮かべたあたしは、ほんのり赤く染まった頬を隠しもせずコクリと頷いた。

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