ユウコさん(仮)の彼氏
「俺の彼女は奈緒じゃないよ。」



「へ?」



突然の先輩の言葉に、あたしの頭は完全にフリーズ。



「彼女じゃ、ない?」



「うん。澪ちゃんのイトコのおねーちゃんで、俺の友達の奈緒とは付き合ってないよ。」



「へ?」



先輩が奈緒おねーちゃんとあたしの関係を知ってることはさておき、パッと顔を上げたあたしは、「ん?」と、小首を傾げる先輩を凝視した。



「あれ?聞こえなかった?だから俺の彼女は…」



「ほんとに?ほんとのほんとの本当に、奈緒おねーちゃんじゃないの?」



「違うよ。」



「絶対?」



「絶対。」



「………よっ、かったぁぁぁー。」



「あははっ…」



瞬間、安堵の息を漏らしたあたしは、目の前ではケラケラ笑う先輩を見つめながら小さく笑みを零した。

< 45 / 70 >

この作品をシェア

pagetop