ユウコさん(仮)の彼氏
よかった。先輩の相手が奈緒おねーちゃんじゃなくて本当によかった。



頑張るとはいったものの、正直、奈緒おねーちゃんには勝てる気しなかったんだよね。



これでひと安………って、ちょっと待て、よ。



ピタリと固まったあたしは、考え込むように口元に指を当てながら眉間に皺を寄せた。



先輩の彼女が奈緒おねーちゃんじゃないとすれば、先輩の本当の彼女って…。



「ねぇ、先輩。」



「ん?」



「じゃあ先輩の本当の彼女って誰ですか?」



「へ?」



突然の問いにキョトンとする先輩を見つめながら小首を傾げたあたしは、突然、何故か救いを求めるように店長さんに店長さんをチラ見する先輩を凝視しながら次の言葉を待った。

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