ユウコさん(仮)の彼氏
「もうっ!先輩の意地悪!」



「ゴメン、ゴメン。」



「あたし、こういうのにほんと免疫ないんです!だからもうっ!ドキドキしすぎておかしくなっちゃうんで、いきなりはやめてください!」



「ゴメン、ゴメン。」



「でも、いきなりじゃなかったら、いつでもウエルカムなんで!
待ってますっ!せーんぱー…」



「黙れ。」



「「へ?」」



でも暴走しかけたあたしにストップをかけたのは、クスクス笑い続ける先輩じゃなく、ただでさえ怖い顔を3割増しにさせた店長さんで。



「ちょっとアンタ!せっかく先輩とイイ感じだってのに、邪魔しないで…」



「邪魔なのはテメェだ!これ以上騒ぐなら、持って来た履歴書、目の前で破り捨てんぞ!」



「うっ…」



「そして優斗!お前もさっさと仕事に戻れ!」



「はーい。ってことで、澪ちゃん。また来週ねー。」



「あっ…」



ヒラリと手を振り、クルリと踵を返した先輩は、ポカンとするあたしをチラ見し、プッと吹き出すと、あっさりレジに向かって歩いていった。

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