ユウコさん(仮)の彼氏
ウソみたい!まさか両思いだったなんて…。夢なら一生醒めないで欲しい。



「マジ大好きなんだよねー。」



「あたしも大好きです!」



でも現実はそんなに甘いもんじゃなくて、カウンターについたあたしの両手をスルーし、スッとパックジュースに手を伸ばしたアナタは、ピッとバーコードをスキャンすると、ニコッと満面の笑みを浮かべた。



「……158円。ちょっぴり高めだけど、甘すぎないコレが一番なんだよねー。」



「へ?」



いや、まさか…それは…ないよ、ね?



「ホントもー大好き。」



いや、それだけはあっちゃダメ…だよ、ね?



「いちごみるく。」



「………」
「「「「あー…。」」」」



予感的中。



あまりにもベタなアナタのボケに、その場の空気は一気に残念なものになった。

< 6 / 70 >

この作品をシェア

pagetop