仮想世界




5限目は体育だった。
俺は体育は嫌いだ。
体を動かすこと自体はさほど苦でもないが、体育という授業は恰好のいじめ場所となり得るからだ。
今日の授業はサッカーであった。もっとも嫌な競技だ。
なぜなら、悪沢の独壇場となるから。


女子は男子と別れて、先生の指導を受けている。
サッカー部顧問でもある体育教師の信用が厚い悪沢がいる俺のクラスでは、男子がこういう放任状態となることが多々ある。
悪沢がその場をテキパキと仕切り、3チームに分けローテーションを作る。
俺は悪沢たちと別のチームに入れられた。


「おっしゃあ!軽く10点くらい取ってやんよ!」


サッカーにテンションがあがった悪沢が雄叫びをあげる。
キャーキャーと、女子が黄色い歓声をあげながら悪沢の妙技に魅入っている。


その中に、
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

森はもう歌わない

総文字数/1,187

青春・友情3ページ

表紙を見る
彼。

総文字数/2,048

その他5ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop