仮想世界
5限目は体育だった。
俺は体育は嫌いだ。
体を動かすこと自体はさほど苦でもないが、体育という授業は恰好のいじめ場所となり得るからだ。
今日の授業はサッカーであった。もっとも嫌な競技だ。
なぜなら、悪沢の独壇場となるから。
女子は男子と別れて、先生の指導を受けている。
サッカー部顧問でもある体育教師の信用が厚い悪沢がいる俺のクラスでは、男子がこういう放任状態となることが多々ある。
悪沢がその場をテキパキと仕切り、3チームに分けローテーションを作る。
俺は悪沢たちと別のチームに入れられた。
「おっしゃあ!軽く10点くらい取ってやんよ!」
サッカーにテンションがあがった悪沢が雄叫びをあげる。
キャーキャーと、女子が黄色い歓声をあげながら悪沢の妙技に魅入っている。
その中に、