弾むボール~勇気を出して~
「ごめんなさい、私たち、勝手なこと……」


「いや、俺こそごめん。暗くしちゃったな」



お互い謝りあって、空気が何とか元の重さに戻った。



「俺、近藤司(こんどうつかさ)。久遠のことなら、俺に聞いてくれれば大体わかるから」


「ありがとうございます……私、川越亜紀です」


「斉藤優佳です」


「久遠なら、市立の病院に入院してると思う……ほら、噴水がある公園の近くの」



噴水がある公園、その近くの市立病院……多分、おばあちゃんが病気のときに入院してたところだ。



「ありがとうございます! 今度、行ってみますね」


「ああ……久遠によろしくな」





まさか、久遠君が入院してるなんて……。
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