弾むボール~勇気を出して~
どうしよう、私……帰った方がいいのかな?



その時、病室のドアがガラリと開いた。


「久遠君……お客様かい?」


「あ、すみません。すぐに帰ります……」



白衣の男の人……担当の先生みたいだ。



「いや、ちょうど良かった。ちょっと伝えておきたいことがあってね」


「え……私に、ですか?」


「ああ。お友達に放しておかなければならないことなんだ。少しいいかな?」



私、友達……ってわけでもないんだけど、でも……。



「わかりました」




なんとなく、今の久遠君は放っておけないって思った。


初めて話したばっかりなのに、私っておせっかいかな?
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