弾むボール~勇気を出して~
視界が、大きく揺らぐ。


しっかり握っていたはずのラケットが手から滑って、地面に落ちた。


とりそこなったボールがフェンスに当たり、ガシャンと音をたてる……なんだよ、これ……!





「久遠君!」







俺の意識は、真っ暗闇に落ちていく……。




ただ、闇の中でずっと、川越の声を聞いていた気がする……。
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