君の隣は。
中学3年のある秋の夕方。
進路相談の面接が終わり、私はカバンを取りに教室へ向かった。
そして教室のドアに手をかけた、その時。
「なぁ、やっぱお前と成瀬って付き合ってるんだろ?
ただの幼なじみにしては仲良すぎじゃん?」
教室から漏れ聞こえた声にビクッとした。
盗み聞きはよくない、と思いながらもドアにかけた私の手は動きを止めていて。
硬直してしまった私の耳に、その言葉は恐ろしいほどすんなりと入ってきた。