君の隣は。
「・・・・・・あ」
何か、何か言わなきゃ。
口角を無理矢理上げて笑みを作り、声を絞り出す。
「か、かばん取りに来ただけなんだけど、たまたま聞いちゃった、ゴメンッ。
日向って、す、好きな人いたんだ!
うまくいくと、いいねッ!」
ああ、もううそばっかりだ。本当はこんなことちっとも思ってないくせに。
また口を開くともっと余計なことを言いそうで、慌ててかばんをとると教室から飛び出した。
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