君の隣は。
公園についても、まだ虹香の姿はなかった。
まあ、そりゃそうだよな。まだ約束の時間より20分くらい早いし。
先に練習してるか。
「あれ、日向が私より早い!信じられない・・・・・・。」
しばらくして虹香が公園に現れた。
約束の時間より早く来たのに、と不思議がる君。
その仕草が可愛くて、思いっきり抱きしめたくなった。
「別に俺は早起きできないわけじゃないし。いつもする必要がないからギリギリまで寝てるだけだから。」
「そんなわけないじゃん、毎日私に起こさせてたくせに。日向めっちゃ寝起き悪くて大変だったんだからね!」
中学までは虹香が毎朝俺を起こしに部屋まで来てくれていた。
・・・・・・いや、正確には虹香が受験勉強を始める前までだけど。
「じゃあまた起こしに来てくれる?」
「っ・・・・・・、ばか!!自分で起きなさいよ!」
毎朝虹香に起こしてもらえるなんて最高だ。
・・・なんて下心を持って聞いてみたらアッサリ断られた。
少し残念。