君の隣は。


「せっかくこんな時間に起きたんだから、早くバスケしよーぜ。」


そう言ってバスケットボールをくるくると指先で回す。


とたん、虹香の目が変わる。


「了解。最初日向から始めていいよ。」


「そんなこと言って、後悔すんなよ!」


何にでも完璧な虹香にせめてバスケでは負けたくなくて、必死に練習してきたんだ。


二人だけの、ささやかな試合でも負けたくない。


「日向こそ。2年もたってるんだし、私中学の時よりもっと強くなってるんだよ!」


バスケに関してはとことん負けず嫌いな虹香らしい。


俺はフッと笑うと、ボールをドリブルし始めた。


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