毒 と 薬
明人はその返事に満足したのか、笑顔を浮かべ
「表で待ってる」
と言い残し店を出た
私は小さくため息を吐き出して時間を確認した
後10分が30分に変わって
明人が帰ればいいのにな‥
別に明人が嫌いな訳じゃない
ただ、明人が私に向ける感情は
幼なじみとしての感情じゃないと知った時から
何となく接し方が分からなくなっただけ
「真実ちゃん、今日はもうあがってくれていいよ」
「あ、はい」
まだ少し早いが
おばさんのご厚意に甘えない訳にはいかないので、あがらせてもらうことにした
着替えを済ませ小さくため息をついて外に出た
辺りを見回すと明人が知らない奴と話していた
「あ、真実!」
あぁ、
気付かなくて良かったのに