毒 と 薬




明人はその返事に満足したのか、笑顔を浮かべ

「表で待ってる」

と言い残し店を出た



私は小さくため息を吐き出して時間を確認した




後10分が30分に変わって
明人が帰ればいいのにな‥



別に明人が嫌いな訳じゃない


ただ、明人が私に向ける感情は
幼なじみとしての感情じゃないと知った時から

何となく接し方が分からなくなっただけ




「真実ちゃん、今日はもうあがってくれていいよ」



「あ、はい」




まだ少し早いが
おばさんのご厚意に甘えない訳にはいかないので、あがらせてもらうことにした




着替えを済ませ小さくため息をついて外に出た


辺りを見回すと明人が知らない奴と話していた



「あ、真実!」



あぁ、
気付かなくて良かったのに



< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop