毒 と 薬




「明人、その人誰?」


「バイト先で知り合った友達
真実に紹介したくてさ」



全然興味がない私は時計に目を向けた



「お前、原田か?」



いきなり知らない人に名前を呼ばれ時計から視線を移す



「誰?」


「同じクラスの川口、」



川口、川口‥

私は人より顔と名前を覚えるのが苦手だ


例え5ヶ月同じクラスに居ようが興味が無ければ記憶には残さない



「分かんないや」


「とりあえず、コイツと仲良くしてやってくんない?」



苦笑いを浮かべる明人


「別に仲良くなる必要なんてないでしょ?
私がお願いして連れてきてもらったわけじゃあるまいし、」



「は?」

「ま、真実‥」



川口は眉間に皺を寄せた



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