毒 と 薬



「必要ないって言ったの」



私は踵を返して歩き出す

でもそれを川口は許してくれず


「待てよ、明人に謝れ」


「いいよ、川口」


何で、キレ気味なんだか‥



「何、文句あんの?
っていうか何で私が謝んなきゃいけないわけ?」



「今のは明人の親切だろ!
お前、友達ともそんな風に接してんのか?」



その問いに思わず鼻で笑ってしまった



「そうだけど?
必要以上に仲良くもない人に嫌われてもどうでもいいし」



手を振り払って再び足を動かそうとしたが、しつこく腕を握られた



「そういうのちょっと違うんじゃないか?
それに明人は幼なじみだろ」



「‥あんたさ、ウザイって言われない?
私は別に誰に嫌われてもいいと思ってる」



「んなこと言ってると1人になるぞ」



1人だから何だと言うんだ


「あんたらみたいに集団でしか行動できないバカよりよっぽどましだわ!

本当にウザイ」


軽く左手を上げて川口の右頬を平手で叩いた



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