ハルオレ-episode彼方-


深夜3時。ライブハウス閉店。


僕は片づけを終え、店長にあいさつをすると店の外へ出た。


「じゃ~彼方。俺、先に帰るからね~。デート楽しんできてよ。」


僕の隣を翔がスルッと通り抜け、振り返って僕の顔を見てはニヤついた。

その原因は僕がこれからお店の常連の若菜さんとデートしに行くからなのだが。


「あー、はいはい。」

「ふふっ。じゃあ!また感想聞かせてね~~☆」

「は?」


感想って何の感想だよ。


僕が顔を引きつらしている間に翔は『報告を待ってるぜ!バイバイキーン!』と意味不明なことを言いながら僕の目の前から走って消えていった。


…台風が去った。まさにそんな感じ。


< 20 / 33 >

この作品をシェア

pagetop