ハルオレ-episode彼方-


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僕はそのまま店の外にある入り口へやってきた。
きっとそこに彼女がいる。そんな気がしたからだ。

予想通り、僕の視界に女性の影が写る。
もちろんそれは若菜さんだ。


「あ、若菜さん。おまたせ…。」


僕は小走りで若菜さんに一気に近寄った。


だが…。


「う~…。気持ち悪い~。」


若菜さんは完全泥酔状態で床にはいつくばっていた。


「若菜さん、大丈夫?」

「大丈夫…じゃない。」


そう言って若菜さんは口元を手で押さえる。

「もしかして吐きました?」


僕がそう聞くと若菜さんは二度三度と頷いた。


うわ~。完全にあの時に飲みすぎたせいだな。
てかこんな状態じゃデートどころじゃないよね。


「…あの、若菜さん。家どこですか?僕、送りますから。」

「…うう。ほんと?」

「はい。とりあえず、今タクシー呼びますね。」


僕は携帯電話でタクシーを一台呼んだ。

数分後、店の前にタクシーが止まり、僕と若菜さんは後ろ座席に乗り込んだ。

それから泥酔状態の若菜さんに家の住所を無理やり言わせて、タクシーは店から若菜さんの家へと出発した。


タクシーに乗り込んですぐ若菜さんは僕の肩に倒れこむようにもたれてきた。


「彼方君。…本当にごめんね。」


そんな若菜さんに僕は『やれやれ』とため息をついた。

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