ハルオレ-episode彼方-


そう思い、僕は早速蘭藤荘の共同風呂場へと向かう。


蘭藤荘の風呂場はちょうど食堂がある棟の1階にある。

僕はその棟に行くために一度外に出る。

ちょうど外を出てすぐのことだ。

僕がまったく想像もしなかった出来事が起こるのだった。



「彼…方…?」



ふと後ろから聞こえてきた声に僕は足を止めた。

その声には聞き覚えがあり、懐かしさを感じた。

僕が振り返るとそこには…


「…観奈!?」


僕の幼馴染みの観奈の姿が…。



…観奈。


僕が彼女の家を出てから2年。
彼女に会うのはそれ以来。


…って待てよ。
なんで観奈がここに?


「彼方ぁ!!」


僕の顔を見るたび、観奈は勢いよく走ってきて僕に抱きついてきた。
そのまま観奈は僕の胸の中で泣きだす。

しかも何故か観奈は全身砂まみれで履き物を履いていない。


なんだ?…いったいどうしたっていうんだ?
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