ハルオレ-episode彼方-


「君はたしかー…えーっとなんとか彼方君だっけ?」

「…菅谷彼方です。」

「あー!そうそう!思い出した!菅谷彼方君!」

人の名前を覚えてないなら僕の名前を聞けばいいのになんだろう、この失礼きわまりない
男は…。

「北洋高校の理事長からちゃんと君のこといろいろ聞いたんだけどな~。ごめんごめん。」

へぇ…。こいつ、藤岡と知り合いなのか。

「別に気にしてないからいいですよ。」

「あはっ!そう?よかったぁ!」

そんな笑顔見ると、逆になんか気にしたくなるな。

「まぁ、不覚にも君の名前は忘れちゃったけど、俺君がどんな子かは知ってるよ。」

「は?」

「誕生日2月14日。AB型。中学時代は成績優秀、全国模試第一位!その上スポーツ万能…
そんでもって女子にはよくモテた!…どう?」

ど、どうと聞かれても。
たしかに僕は全国模試で一位をとったこともあるし、スポーツもどちらかと言えば得意なほうだ。

って!なんでそんな中学のころの話を初対面なこいつが知ってるんだ?
僕の通っていた中学は県外にあるし…まさか地元のやつがたまたまここに…?いや、それは考えにくいな。


「なんで知ってるのーって顏してるね?」

僕がいろいろ考えてる間に翔は僕の目の前にいて、顏を近づけてきた。

「俺、人の情報調べるの得意なんだー。すごいでしょー!」

うわ。それ全然すごくない。下手したら個人情報を盗んでるよ。
この人、真剣に頭いかれてるやつかも。


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