君がくれたもの



バゴっっ

歪(いびつ)な音を奏でながら男が宙を舞っている

あーあーまた派手に


『て、てめぇ!!女だからって手加減しねぇからなっ!!』


そう言って男たちは優希に立ち向かって行く

一歩離れて見てる俺にはどっかのヤンキードラマを見ているようにしか思えなかった


ごっつい男たちは三人仲良く地面に叩き付けられすぐ立ち上がり逃げていった

『はっ!空手上級者のこのさくら優希様をなめんじゃないわよ!!』


「お前って怖いほど強いよな!元不良の俺もこぇーもん!!」


長く綺麗な黒髪をなびかせながら優希が振り向いた途端右の頬に激痛が走った


「いってーな!!!!俺だよ俺!工藤龍だって!!」


固い表情がパッと変わり心配そうに駆け寄ってくる


『ごっめーん!あいつらの仲間かとおもった。えーっと大丈夫?』


「バッカ!大丈夫じゃねぇーし、頬骨砕けたかも知んねぇー」


頬を抑えながら涙を目の端に溜めブツブツ言う俺を見てニコっと笑った


『その様子じゃ大丈夫みたいね!よーし帰るよ!』


まったくどんなけ都合のいい女なんだよ

俺は優希のそう言う所に惚れているのかも知れない


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