彼女の10円。
「太一、机の中に何かある?」

「たいした物入ってねぇと思うケド…」



純は机の引き出しを開けた。



「タバコと20円…」

「あっ!!それはダメ…」

「何で!?」

「教えねぇ…」



俺が教えないと段々不機嫌になる純。



「言わないなら住ませない。」

「言います!!」



俺がそう言うと純は明るくなった。



「これは純がくれたタバコと、純のコンビニで買い物した時のお釣り…」

「あの時のタバコまだ持ってたの!?」

「まぁね。ってマジ恥ずかしいから////」

「太一かわいい~♪」



それから俺は純にからかわれた。



「太一、この10円ちょうだい?」

「何で!?」

「お守りにする♪」



そう言って純は俺の机の引き出しから10円を取った。



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