彼女の10円。
春輝さんに手紙を見せた。



「イチ…。心当たりとかねぇのか!?」

「ない…。」

「行きそうな友達んちとか実家は!?」

「純は実家には帰れないし、純の親しい友達はわかんない…。」



春輝さんは俺を心配してくれて店を臨時休業にしてまで俺の側にいてくれた。



「春輝さん、何で純はいなくなったの?」

「わかんねぇよ…」

「俺、どうすればいいの?」

「夢を叶えろ。それが純ちゃんの願いだろ?」



俺は子供の様に泣いた。



泣いても泣いても涙は枯れない。



そして俺は春輝さんの家に連れてこられた。



「イチ、今のお前は1人に出来ねぇ。実家に帰るか?」



春輝さんは俺があの部屋にいるのが辛い事を見抜いててくれた。



その日俺は春輝さんに甘えるだけ甘えた。


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