彼女の10円。
「う~ん。イマイチ…。」

「イチは厳しいな…。春輝さんより厳しい。」

「拓だって俺の作るのにダメ出しばっかじゃねぇかよ…」

「なぁイチ、お前そろそろ恋したら?」



拓がいつもとは違う顔つきで言ってきた。



「いや、俺はJUNが恋人だから。」

「何だよそれ…。」

「結局俺は純を忘れらんねぇから次には進めねぇよ。」

「あのさイチ、実は俺、この前純ちゃん見かけたんだわ…。黙ってて悪かった…。」



純を見た!?



この街に純がいるのか!?



「どこで!?」

「まぁ聞けよ…。あのな、すげぇ言いにくいんだけど…。」



拓が言葉に詰まる。



何だよ!!



早く言えよ!!



「子供と歩いてた…。」



子供…。



純は誰かと結婚したのか…。



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