彼女の10円。
「邪魔なんだけど」



雑誌を閉じた瞬間、後ろから純の声がした。



ドキッ



ドキッ



あぁ。
やっぱりな…



「純…」

「よぅ♪太一♪」



ドキッ



ドキッ



ほらね。
確実だな。



「学校サボってんじゃねぇよ♪ガキが!!」

「ガキじゃねぇよ…」



ムカつく気持ちが好きに変化してるよ…。



「そこどいてよ。」

「わりぃ…」



前とは違う優しい口調の純。



純は横に反れた俺を気にするわけもなく、雑誌をキレイに並べてる。



俺は飲み物を取り、レジに持ってく。



純が来た。



何か話したい。



「タバコ売ってくんない?」

「は?粋がってんじゃねぇぞ、ガキが!!」



ドキッ



「合計で148円でーす♪」



やっぱりスルー。



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