彼女の10円。
困った。



純からもらったタバコの箱が熱い。



ドキッ



ドキッ



なぁ、どうすりゃいいんだよ…



純は俺を見てくれるのか?



俺は立ち上がり、コンビニの外から純を盗み見た。



ドキッ



ドキッ



俺はタバコをポケットにしまって、もう一度コンビニの中に入った。



欲しくもないアイスを手に取り純の待つレジへ。



ドキッ



ドキッ



俺はアイスを台に乗せる。



純は馴れた手つきでレジを打つ。



「105円でーす♪」



俺は105円を純の手に渡す。



「レシートいる?」



いらないよ…



純が欲しい…



「携帯教えて。」

「はい?」

「携帯番号!!アドレスも!!」

「何で太一に教えなきゃなんないの!?」

「もういい。」



俺は純からレシートを受け取り外に出た。



外にあるゴミ箱の上で、レシートに鞄から取り出したボールペンで俺の携番とアドを書く。



< 28 / 171 >

この作品をシェア

pagetop