彼女の10円。
「ねぇ太一、起きてる?」



ドキッ



「起きてる。」



俺は平然を装って返事をする。



「さっきさぁ、キスしたかったの?」



それ、聞いちゃうの?



「まぁ…」



してぇよ!!
今でもしてぇ!!



「ははっ♪してもいいよ?」



うそぉ!?



「マジで!?」



横で小さく頷く純。



したいケドさ、キスってどうやってするんだっけ?



俺の頭は混乱中。



俺が黙ってると、隣の純が起きあがった。



「だからガキはいやだ。」



純がそう言った瞬間、俺の顔には髪の毛と純の唇の感触。



えっ!?



えぇぇぇぇ!?



「しちゃった♪」



そう言って純はまた俺の隣に横になった。



今、俺、キスされた?



されたな…。



俺だって男だよ!?



女にさせて情けねぇじゃねぇか!!



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