彼女の10円。
俺たちは初めて来るバーに感動した。



すげぇ大人な感じ…。



「座れよ♪」

「はい。」



俺と拓はマスターに言われた通りテーブルに並んで座った。



「俺、春輝。で?お前らは?」

「あ、市川太一です!!」

「ははっ♪イチ多くね!?」

「だからイチって呼ばれてます…」

「イチな♪」

「あ、俺は紺野拓也です。」

「じゃあお前は拓な♪で?いつから来れる?」

「「今日から!!」」



俺たちは今日から春輝さんの店『ONE』で働く事になった。



「拓、これサヤカさんに持ってって!!」

「イチはコレ裏に捨ててきて!!」



春輝さんは店に来た客の名前をすぐ覚える。



小さい店なのにこの忙しさは春輝さんの人望の厚さと、酒のうまさにあるんだろうな。



すげぇ人だ。


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