彼女の10円。
幸福感
「あい。今日までお疲れさん♪」



俺と拓は今日が最後のバイトだった。



いやだな…



「春輝さん、バイトいなくなったら大変じゃねぇ?」

「んー、まぁな、でも今まで1人でやってきたからなぁ。なんとかなるだろ♪お前らのおかげて客も増えたし。助かったよ♪」

「ねぇ、俺辞めたくねぇんだけど…。来ちゃダメ?」

「俺も辞めたくねぇ!!」

「でも学校が優先だからな…。俺が大和に怒られる。」



そっか…。



「10時までだったらいいんかな…。明日大和に聞いとくわ!!だから給料は明日取りに来い♪」



そして俺たちは春輝さんの店を出て家に帰る。



「イチ、俺さ、春輝さんみてぇになりてぇ…」

「俺も…」

「将来さ、一緒に店やんねぇ?」

「やる!!ぜってぇやる!!」



今まで俺たちはただ生きてきた。



でも俺と拓はここで夢を見つけた。



中先にも春輝さんにも感謝してるよ。



俺は拓と別れて純の部屋に向かう。
後2日で夏休みは終わる。


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