学園奉仕活動
「待ってたのか、アリス」


少し離れた位置で腕を組み、昇降口を睨むように相対して立っているアリスに声を掛ける。


まるで通せんぼだ・・・・・・・


仲間の為、何人たりとも橋を通さんと、橋に背を向け、何千、何万の軍勢に一人で立ち向かう三国志の歴史上最強に近い人物の様だ



まあ、彼と根本的に違うのが、性別と言葉



おそーーーいって・・・・・・・


確かに威圧感はあるけど
それ以上に、俺達が来るまでずっとそうして待っていたと思うと、可愛いところもあるんだなってのが先に立ってしまう。


「べ、別に待ってなど、い、いないぞっ!」


そう言って頬を赤くすると更に可愛いと思える



ロピアンでは無いが、気持ちは凄いわかる


こりゃ、救うね


俺個人の世界を。



「まあ、皆で一緒に帰ろう」


「そ、そこまで言うならっ、しょ、しょうがないな。うん」


そこまでも頼んで無いが、すんなり皆の輪に入るアリスを見届けた後、いつものように馬鹿話をしながら、帰路につく奉仕活動部初日の夕暮れ時であった。










と、綺麗に締めくくったが


活動自体、何もしていない初日



こんなのでいいのか・・・・・?



いや、良い訳がない



色々決めて、なんとかしないといけない



と、密かにそう考えてたりする俺が居たのは秘密だ。


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