学園奉仕活動
「う、うむ。え〜・・・・・・空腹は最高の超魅了」



「超魅了?・・・・・・調味料じゃなくて?」


「う、ああ、まあ調味料とも言うな。まあ、それだ。我慢して忍肉屋に着けば味は保証するぞ」


「・・・・・・・・・・・・・」


顔を見合せている、三人



もう一押しだな


よし、畳み掛けるか


「空腹じゃなくても、マジ美味いぞ彼処は。クソウマだ。さあ、どうする?」



「・・・・・・・マジなんやな?」


「ああ」



「・・・・・・ほんとだね?」



「イエス」



「ほんとにほんとですね?」


「オフコース」


半信半疑な三人へ真面目に答える。


嘘は言っていない。


本当に、忍肉屋のラーメン、チャーハン、ギョウザ、どれも絶品であり、尚且つ値段も安く、知る人ぞ知る隠れた名店と言える店なのだ!・・・・・・・・


まあ・・・・・・・名前で察する通り、どれもニンニクたっぷりなのが、数少ない嫌な所だが、幸い、彼等は空腹で気付いていないっぽいのでいいだろう。


「よし、では―――――」

『行こーおうっ!!』と高らかに叫ぼうとした瞬間


「ちょっと待て」


屋上のフェンスに手を着き、グラウンドを窺っていたゴリラが待ったをかける。


「なんだよブラザー。今更行かないとか無しだぜ?ブラジャー、カモーン」


俺は「勘弁してくれ」と言いたげな黒人の様に、ゴリラの隣に移動する。


「ブラジャー言うな。それより、アレ・・・・・・・」

と、ゴリラがグラウンドを突っ切った先にある正門を示すので、視線を向ける。

「ああ、奴か・・・・・・・・・」

正門に視線を向けると
「何人たりとも通さねえ」と、門の中央に仁王立ちしている、坊主頭で小太りの中年ジャージオヤジが居た。


「まずアレを何とかせんと無理やで?」


と、眺めている俺の横からゴリラが言い、ロピアンと寝子も、不安そうな顔を向けてくる


が、俺にしてみれば何の障害でも無いので

「全然、大丈夫」

と、100万ドルの笑顔で返した。


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