学園奉仕活動
「くそっ!・・・・・・・・」


ジャージ中年オヤジは、アスファルトの地面を蹴り、本日、何回目かになる悪態をついた。



「何で俺っちが飯も食わずに・・・・・・・ああっ!くそっ!」


ジャージ中年オヤジは、学園内で、学生、教師問わず、綺麗だと評判の英語教師から、急遽、見張りを変わってくれと言われ、二言返事でOKし、大好きなカップ焼きそば『ウーホー』も食わずに正門の中央に立っていた。



「ちくしょう!しょうがねえだろっ!麗奈先生はっ!いや、麗奈は!お、俺っちの嫁・・・・・・・・・・キャーー!!」



ジャージ中年オヤジが、顔を赤らめ両手で顔を被っていると



「ごくろうさ〜ん」


「お疲れ、じろさん」


「グッジョブ、じろさん」

「すいません、じろさん」


と、挨拶と共に数人が側を通ってく風を感じ、ジャージ中年オヤジは、直ぐ様被っていた手を退け、背後を振り返り思わず叫んだ。




「あかんじゃーんっ!!」


言ってから、ハッとする


俺っち、何をっ!?


こりゃ〜、まさかの・・・・・・・




「なにそれ?関西弁と標準語の融合?」


ジャージ中年オヤジが口を開く前に、正門から数歩進んだ所で立ち止まっている丸坊主の生徒が、言おうとした事を言ってしまう。


「てめえっ!俺っちが言おうとしたこと言うんじゃねえっ!」


ジャージ中年オヤジがそう言うと丸坊主の生徒は



「ああ、ごめんね〜」


と言い、そのまま他の3人の男子生徒と歩いて行ってしまった。



「ったく。分かりゃいいんだ分かりゃ、ったく」


ジャージ中年オヤジは少しの間4人男子生徒の背中を睨むと、学校側に向き直り、空を仰いだ。






「それにしても麗奈先生いいねぇやぁ〜。あのキリリっとして、のほほんなぁ〜・・・・・・・キリノホ?ノホキリってぇのか?・・・・・・・・ちくしょう、この野郎っ」



ジャージ中年オヤジは再び顔を赤らめ、両手で顔を被った。



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