学園奉仕活動
困惑する全校生徒。


「荒廃しきったて・・・・・」

困惑するゴリラ。


『この場所に立つまで道のりは険しく・・・・・。そして、長かった・・・・・』


聞く姿勢に入り、耳を傾ける全校生徒。


「何が険しくて長いねん」

うるさいゴリラ。


『紙に名前を書き・・・・・名前を紙に書き・・・・・・・書いた、名前を、紙に・・・・・・』



「三回も言うな。書いた名前を紙にってなんやねん」

ほんとうるさいゴリラ。



『だが、私は負けなかった。誓ったんだあの空に!君と見たあの空に・・・・・・』


すすり泣く生徒がちらほら体育館内。


「うっうっ・・・・・・」


「ううっ・・・・ズズッ」


泣いている寝子とアリス。

「なんでやっ。お前等なんでやっ」


黙れゴリラ。



『あの時君は言ったね・・・・・。最後の力を振り絞り・・・・・・』


泣き崩れる男子、男泣きする女子、体育館。


『今日の朝御飯はカップラーメン・・・・・・』


「ううっ・・・・・わああーん」


「うああああん」


抱き着いてくるアリスと寝子、両脇で支える俺。


「意味わからんて」


虫歯になれゴリラ。


『だから・・・・・何かあれば・・・・・・何かあれば言ってください!言うのが恥ずかしいなら、屋上扉の前に箱置いてますんで、投書してください!貴方の一票が世界を救い、ハゲマクリです』

歓声が上がる体育館内。


『以上。ほぉ〜し、かつどうぶでしたぁ〜』



頭を下げ、マイクのスイッチを切ると、生徒と教師総立ちで、拍手や指笛の音があちらこちらから上がり


「うむ・・・・・」


その心地よい音と満足感に包まれながら、俺はアリスと寝子を支えつつ壇上降り、体育館を後にした










敵意を込めて睨んでいる、一人の男子生徒が居たことを知らずに・・・・・・・。



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