学園奉仕活動
「何奴っ!!」



勢いよく振り返ると、女子生徒が一人、ニコニコと微笑みながら付いてきていた。


「お、御主は・・・・・・」


「ほんっっと、変わらないですよね。百ちゃん」


「百ちゃん?」


ゴリラが引き気味で「なんだ、お前」と言いたげな視線を向けてくる。


「いや、ちょっ、恋ちゃん。学校ではモモちゃんとか――――」


「恋ちゃん?」


ゴリラが「どんな関係だコイツ等」と興味津々で、俺と女子生徒を見ている。

「ち、違うぞ!お前が思ってる事では断じてないぞ!」


「思ってるって何が?別に俺、なんも思てないで」


と言いつつ、ニヤニヤするゴリラ。


「だからーっ!そのニヤニヤをやめ――――――」


「ほんとに何もありませんよ。ただ家が隣で、ただ小さい頃から仲良くて、ただ結婚を明日に控えてる。ただそれだけの仲です」


「そうだ!ただそれだけの――――なんですってっ!?」

同意しかけたが、明らかにおかしい単語が入っていたのに気付き、女子生徒へ顔を向ける。


「ま、マジか・・・・・・」


ゴリラも口に手を当て、目を見開いていた。


「あれ〜〜?お友達は分かるんですけど〜・・・・・・百ちゃん、レベル落ちました?冗談ですよ、冗談」


少しムッとしたように、そんなことを言う女子生徒だが、マジで勘弁して欲しい・・・・・・


俺は、こう見えて純真無垢なんだぞ、ちくしょうっ。



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