学園奉仕活動
一方屋上では、アリス、ロピアン、寝子の三人が、百太郎とゴリラが来るのを待っていた。


トントントントン


「んー・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」



トントントントン


「んんー・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」



放課後の屋上

運動場からは運動部の掛け声や、ボールを蹴る音や打つ音、地面を蹴り走る音、校舎からは楽器を奏でる音、と、様々な音が聞こえてくるものであり、静かとはとても言えない、が、何故だか落ち着くものだと僕は思う。


「んー・・・・・・・」


「・・・・・・・」



だが今は、僕を落ち着かせてくれる音がしない




いや、正確にはいつもと変わらない音がしてる・・・・・・・筈





だが、その音が耳に入らない、殆んど無音なんだ



聞こえるのは微かな唸り声と、トントンと一定のリズムを刻んでいる、屋上の床と指が奏でる音




普段なら聞こえないであろう音が、耳元で鳴ってるんじゃないかってぐらい、はっきりと聞こえる。




トントントントン


「ちっ・・・・・・・」



「っ・・・・・・・」



「ひっ・・・・・・・」



それに、全面がコンクリートの狭くて冷たくて硬くて寂しい、そんな部屋に獰猛な大蛇と一緒に放り込まれた様な、背筋も凍るような感覚が付きまとう



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