俺は絶対に捕まらない①
「どうしたの、おぢぃちゃんw 急にレスが止まったね」
「……」
「確かに僕はやぢゃんの言うとおり、お子様だよ。そのおぢちゃんの大嫌いな、お子様の僕はこうして実力をお見せしましたよ。今度はおぢちゃんが、実力みせてね。アレだけ僕のことをバカにしてたんだから、相当凄い人なのでしょうね。期待していますwww 」
 この健二にレスに、相手は無言であった。
「将来は出来る子供に出来ない大人の時代が来るよ。そんなに子供たちに負けるのが怖いのwww みっともない大人だなwww」
 健二はそう書き込みをし、パソコンをシャットダウンする。
 そして家を出る。
 夜の繁華街。
 街中は賑わいでいる。
 酒びたりのサラリーマンたちが、子供のようにバカ騒ぎをしている。
 中には路上に寝転び、寝ゲロをはいている大人もいる。
 これが日本という国の、美しき光景。
 そんな、美しい大人たちの群れの中を健二は無表情で歩いている。
「ケッ、くだらねぇー大人たちだ。こんな大人たちが子供相手に説教たれるんだもんな」
 健二は泥酔して寝転んでいる、サラリーマンを嘲笑しながら、そう言った。
 そして一度ばかし、そのサラリーマンの顔めがけツバを吐きかけた。
「このクズが」
 健二は寝ゲロをしてる大人に、冷めた視線を投げかけた。
 健二は裏路地に入る。
 繁華街とは少し違う雰囲気をかもし出していた。
 背広を着たサラリーマンの群れや、若いお姉ちゃんたちの群れ。
 そんな群れが、裏路地を色どっている。
 酔っ払っていないサラリーマンはいない。
 健二は冷めた目つきで、その道の真ん中を通って行く。
 すると一人の酔っ払いの大人が、健二を止める。
「おい、ガキ。ここはお子様が来る所じゃねぇーぞ」
 と、見下した笑いを浮かべている。
 すると、その仲間内が一斉に、嘲笑気味に笑った。
「お子様は、こんな時間にこんな所にいちゃだめだよ。とっととお帰りぃ~」
 と、健二にたいしてバカにした態度をとった。
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