レンアイ指導室~甘々な指導~【完】
 * * *


「あっ、ありがとうございましたっ……! そのっ、道違うのに、私の家まで送ってもらっちゃって……」

「いいよ。遠慮しねぇで。……菅原みてぇなやつを暗い道に放すと、何しでかすか判んねぇし」

「え?」

それって、どういう意味……?


「……つまり、単刀直入に言うと、菅原はほっとけねぇつーこと」

本多君は私の額を小突いた。


え?

ほっとけないって……。


「指導者としてもあるけど、これからは一緒に帰っから。じゃ」

そう言って、本多君は頭を撫でてくれて自転車を押しながら私に背を向ける。


「あっ、……あのっ」

「ん?」

私が声をかけると、本多君は顔だけこちらに向けてくれた。


「あ、おやすみなさい……っ」

そう言うと、本多君は優しく微笑んでくれた。

街灯に照らされたその顔は、ホントに優しいものだった……。
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