レンアイ指導室~甘々な指導~【完】
「なぁ? 誰」

本多君が怖い顔で迫ってくる。


どうしちゃったの?

本多君。


 ……今までの本多君じゃないみたい。


「……未良」

乱暴な口調になる本多君の唇が近づいてくる。


「いやぁ……っ!」

触れた瞬間に、本多君の唇を噛んだ。

そして、私は急いで教室を後にして、お手洗いに向かった。


洗面台に手をつけて、乱れた息を繰り返す。


 ……どうして?

どうしてなの?

本多君……っ。


「……っ」

本多君がわからなくなっちゃって、ついには泣き出してしまった。


怖くて、指導なんかしてもらえない。

本多君といるなんて、無理だよ……。
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