レンアイ指導室~甘々な指導~【完】
 * * *


「……梶原先生」

俺はノックもせずに、準備室に入った。


「ん? ……珍しいですね、本多君が来るなんて」

「俺、梶原先生が嫌いです」

「……」

椅子に座ってこちらに背を向けていた梶原が、くるりと回転させた。


単刀直入に言ったからか、梶原は顔を歪めていた。


「……奇遇だね。俺もだよ」

「あと、菅原さんが好きです」

「……。ふーん、やっぱり。気が合うんだな」

「……そこでです。俺と勝負してください」

「勝負?」

梶原は次第に余裕が出てきたのか、優しい顔になってきた。


「高校時代、弓道部のエースだったそうじゃないですか」

「うん」

「俺も中学、弓道部だったんです。……つまり、弓道で勝負してほしいんです」
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