ピリオドと始まりの世界
~裏路地~
「…」
「…」
「…大丈夫かなぁ?式神ちゃん」
「…式神なら・・・約束は守る」
「そしたらザルダからも解放されるってか」
「…あぁ。」
ザルダ。俺たちは戦争後親を亡くしてたむろっていた。
そんな俺たちをエサの用に見て拾った。
それが俺たちの悲惨な物語の始まりだった。
そんな日常の中での救いが式神が存在すると言う情報を得た時。
あの時は心臓が高鳴り興奮して眠れなかった。
いつか会える。そんな気を持ち今に至る。
「…」
「はぁ…はぁ…」
「式神の声・・・式神っ」
「おに・・。ちゃ?」
「…式神・・・?」
「…そうだよ。ごめんね。歩けなくなっちゃった」
うつむいている。多分前が見えていない。
砂で見えないってだけなら良いけど…。
「…手当てしないと」
「おれも手伝う」
「わたくしもお手伝いいたします」
「…その声。笹目。か」
「笹目?」
「…戦争が終わった日。助けてくれた女。」
「神。また怪我をしましたね・・・心配をさせて」
「今回は重症・・・許してよ」
式神の苦し紛れの声。笑ってる。
「とりあえず手当てですね。用具は持ってきました。」