少年少女は夢を見る
「どこって…帰るよ」
「こんな時間に?」
「当たり前じゃん、明日学校だよ」
それに親だって怒ってるに違いない。
だけどそんな私の考えを先読みするように彼が言う。
「奈里ちゃんの家なら電話しといたよ」
だけどさっき動けないぐらい苦しかった体は、まともに動くぐらいには回復した。
「親しき仲にも礼儀あり」、いつまでも頼のお世話になるわけにはいかない。
「ありがとね、それといきなり倒れてごめん」
それには何も返答せず、頼が私の側に来る。
「送ろうか?」
暗い夜道と頼を見比べて、私は小さく首を振った。